巨像キャンプ

このブログは、日本各地の巨像を見に行く私、たかはしのレポート兼旅行記のようなものです

【香川県小豆島】小豆島大観音

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◆巨像DATA

像名 小豆島大観音(しあわせ観音)
所在地 香川県小豆郡土庄町小馬越乙1
施設名 大本山 小豆島大観音仏歯寺
高さ
(像高/台座)
約60m ※土庄町観光課発行のパンフレットより(正確な高さは非公表)
材質 鉄筋コンクリート
モチーフ 聖観音菩薩
種類 立像
景観 山・林、市街地・住宅街
建立年月日 1994年(平成6年)
建立者 大本山 小豆島大観音仏歯寺
(設計施工:㈱清水建設、 原型:大仏師 故・松久宗琳師)
(2019/2/2現在) 

 

◆施設営業時間

8:30~17:00
年中無休

◆拝観料

大人500円/小人200円

◆アクセス

小豆島オリーブバス福田線「小豆島大観音前(しあわせの駅)」より徒歩約2分

◆概要

1994年にフランスで開催された「ARC+国際作品コンテスト」で1位を獲得した、名実ともに「世界一美しい観音様」。 姉妹寺院であるスリランカの国立仏歯寺より昭和60年に寄贈された釈迦の歯を祀っている。

夜間はライトアップされる。

◆公式サイト

◆巨像レポート

  • 訪問年月日
    2019年1月5日
  • 天候
    晴れのち曇り

大観音までは、島内のシェアサイクルを利用した
小豆島の主要港町の一つである土庄から、6km弱内陸側の山間に立っている

高松からフェリーで土庄入りしたとき、フェリーターミナルから見える山のむこう側に頭の一部っぽいものが覗いていたように見えたけれど、本当に頭だったのかは今となっては謎(結局何だったんだろう)
土庄の市街地を抜けると、アップダウンの激しい峠道が続く。

オリーブ農園を横目に住宅街の坂を上ると、住宅の陰から観音様の白い顔がひょっこりと現れた。

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大観音は小高い丘の上に立っており、周囲が開けているためか圧倒されるほどの大きさはあまり感じられなかった。

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門の前では、マンガ顔の「しあわせ小僧」さんがお出迎え。
足元のバス停の名前は「しあわせの駅」。
「しあわせ」がテーマのお寺らしく至るところに「しあわせ」の文字がちりばめられており、やさしい気持ちになれる

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ふっくらしたプロポーション、両手を胸の前でふわりと開いた上品なマダムのようなポーズで女性的な印象を受ける
真っ白なボディにポイント的にあしらわれた金色の装飾が派手過ぎず、瀬戸内の自然ともさわやかに調和している気がする

概要で述べた通り、世界的な受賞歴のある実力派大観音なわけで小豆島の主要観光地としてはけっこう気合が入っており、公式の観光パンフレットにも大きく取り上げられている。f:id:Y_takahashi_Y:20190203225819j:plain
観音像の胸元に3つの窓がついており、そこが最上階となっている。
胎内はカーペット敷きで、靴を脱いで拝観する。書籍コーナーや土産物も少し置いてあった

最初に、お清めとして掌にお香をひとさじ盛られる。
本場スリランカ式のお香なのか、カレーみたいな匂いがなかなか取れなかった。

余談だけれど、人間の五感のなかで最も記憶を呼び覚ますものは嗅覚なのだという話を聞いたことがある。
これから先、本格派カレー屋の前を通りかかるたびにこの大観音のことを思い出すかもしれない。

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マウスポインタの軌跡みたいな胎内仏。スペーシーな空間

螺旋階段とエレベーターが設置されている。上りは階段を使った

ずらっと並ぶ胎内仏や十二支の守護仏の間など、大観音の胎内ではお馴染みの風景

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最上階は仏歯が安置されている釈迦殿
3つの小窓から瀬戸内海と小豆島の山々が一望できる。

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美しくお上品な大観音だからこそ、生活感のあるものとの対比が味わい深い

大観音より南東方向へ下った。
道中の集落から山の方を見上げると、丘の上からこちらを見守ってくださっている大観音が見えた

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リゾートホテル オリビアン小豆島のブログによると、真言密教の聖地である高野山の方角を向いているのだそう

こうして見ると、ずいぶん高いところに立っているんだな、と思う。
他に目立つ人工物がないからか、そこ一帯だけ別の世界のように見えてくる。
仏教というよりかはどことなく西洋っぽく、天使とか女神とかが舞い降りたような聖なる感じがする

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この手の「住宅街から見える系巨大仏」は多くの場合、SF的な雰囲気というか、例えるなら宇宙人や怪獣のような非日常的なモノが日常にねじこまれているようなムリヤリ感があり、それが何より魅力だったりするものだけど、その点で言うとこの大観音はちょっと毛色が違うように感じた

神仏の像としては正統派だと思う

小豆島の地形はアップダウンに富んでいる。
瀬戸内の海底火山から流れ出たマグマ由来のもろもろが、地殻変動で押し上げられたり雨風で削られたりして、山と渓谷の意外と硬派な景観を形作っている。

大観音も大きいけれど山間に立っているので、峠を越えるとけっこうあっけなく見えなくなってしまった。

同じ”島観音”でも、淡路島の大観音のように海岸線に佇んでいて海とセットで島のどこからでも見えます、というのとはまた違った「名残惜しい感」が味わえた

 

今回は島の南側しか散策できなかったけれど、遮る山がなさそうな島の北側に抜けてみたり、ロープウェイのある寒霞渓方面から見てみたりするとまた違った角度の大観音が味わえたんじゃないかと思う