巨像キャンプ

このブログは、日本各地の巨像を見に行く私、たかはしのレポート兼旅行記のようなものです

【高知県室戸市】室戸青年大師像

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◆巨像DATA

像名 室戸青年大師像
所在地 高知県室戸市室戸岬町かなつき3903番地
施設名 真言宗豊山派 明星来影寺
高さ
(像高/台座)
全高21m
(像高16m/台座5m)
材質 ニューセラミック
モチーフ 弘法大師
種類 立像
景観
建立年月日 1984
建立者 初代住職 小松原賢譽僧生
(2019/2/2現在)

 

 

◆拝観料

大人300円/中学生200円/小学生以下100円(赤ちゃんを除く)
 

◆アクセス

神戸東部交通バス、徳島高速バス「大師像前」より徒歩2分

◆概要

弘法大師入諦1150年御遠忌として1984年11月15日、開眼。
「台風銀座」の異名がある室戸岬の気候に耐えるよう、強固な鉄骨に塩害に強いニューセラミックで仕上げをした白亜の像である。
※パンフレットより

◆公式サイト

 

◆巨像レポート

  • 訪問年月日
    2019年1月3日
  • 天候
    快晴
 
大師像のいる室戸岬高知県の東側にある南にトガって突き出た部分で、北海道で言うと「えりも岬」によく似た形をしている。
いわば先っちょの地なので、わりとどこから行っても車に揺られている時間が長い。
高知駅からJRとローカル線を乗り継いで1時間ほどかかる安芸市内に宿をとり、翌日朝はそこから歩いて30~40分程度のところにある伊尾木の洞窟を見た後、バスに1時間ほど揺られて室戸に到着した。

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「トンガリ」の先っちょ・室戸岬
 
大師像は「トンガリ」の先端から東へ1kmほど向かったところに、山をバックに覆われるような形で立っている。
バスに揺られながらなかなか姿が見えないな~、と不安になってきたところで、ふと横を見てみたら、いた。

f:id:Y_takahashi_Y:20190202231250j:plain なんでこんなところに弘法大師?と思ったけれど、室戸は弘法大師空海が修行し、悟りを開いた地らしい。

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像は修行中の若き弘法大師をモデルに作られている。
すらっとしていて精悍なお顔立ちの美坊主。

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数珠や傘など細かい部分まで精巧に作りこまれていて、思い付きや観光目的で作られたものではないことが伺える。

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足元には弘法大師が廻ったといわれる四国八十八か所のミニチュアが敷かれている。
足2本+杖の「3点支持」スタイルだ。
愛知県は蒲郡市にも同じくらいの像高の弘法大師像がいるが、あれも同じスタイルだった。

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台座部分の胎内(?)巡りができる。
中にはステンドグラスで模した曼荼羅が安置されていて、荘厳な雰囲気。
 
大師像から山側に階段を上がると、黄金の涅槃像が横たわっている。

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ちょうど大師像と背中合わせの状態になっているがこれは決して仲が悪いわけではなく、お釈迦様が入滅したときの”頭北面西”と呼ばれる方角を再現している。

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若き日の弘法大師は、室戸で修行中に見た風景から”空海”という名を得たといわれている。

青い空に太平洋、それを望む空海を見ていたら、なんだかこちらまで空海になってしまいそうな気がしてくる。
 
余談だけれど、室戸岬周辺の地質は、四万十帯と呼ばれるフレッシュな海底堆積物からなっている。
海側のプレートと陸のプレートの境目である南海トラフが岬からはるか沖合の海底を横断していて、そこに積もり溜まった土砂や海中微生物の死骸などがプレートの沈み込みによって押し上げられ陸地が盛り上がっていった、というのが本当にざっくりとだけど室戸の地質のなりたち、らしい。

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付加大師(これが言いたかっただけです)
室戸の海沿いの奇岩や急峻な崖地形は、今もなおじわじわと変動し続ける大地のようすを物語っている。
(ちなみに室戸岬周辺の海底地形図を見てみると、「トンガリ」の東側から南海トラフに向かって露骨に窪んでいたりしてこれまたダイナミックな面白さがあるのだけど、そこはちょっと脱線してきているのでこの辺でやめときます。)
大師像からほど近いところに若き日の空海が修行していたとされる「御厨人窟」と呼ばれる洞窟がある。約1200年前には今より5m程も低い波打ち際で侵食を受けていたのが、地震によって今の高さまで持ち上がってきたという。
大師像も、何十年~何百年か後には今より高い位置に立ってたり、はたまたピサならぬ室戸の傾巨像になっている…かもしれない。
 

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バス大師

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アロエ大師